Power BIのビジュアルとデザインの最適解について

カテゴリ: ビジュアル&デザイン作成日: 2025-11-21

Power BIの美しいグラフを作成するには、Microsoftの公式リファレンスを参考にします。
以下、優れた Power BI ダッシュボードのデザインに関するヒントから引用(イタリック体)し、内容を学びます。
 ※私が作成したアンチパターンのグラフから比較して学びます


1. 閲覧者をよく考える

作成したグラフは、当然ながら見る人がいます。
誰が、何を、どうして、といった見る人の立場を重視します。
そしてグラフを見る人は、そのグラフが何の役に立つかを、必ず考えます。

  • 対象ユーザーはダッシュボードをどのように使用しますか。
  • 対象ユーザーの意思決定に役立つ主要なメトリックは何ですか。
  • デザインの選択に影響を与える可能性のある学習上または文化的な前提は何ですか?
  • 閲覧者が成功するためにどのような情報が必要ですか。

2. 1つの画面でストーリーを持たせる

グラフはたくさんあれば良い、というものでもありません。
分析するのに有用で、次の行動につなげるために必要なものを、厳選して用意します。
そして、グラフはいくつかのページに分けず、一枚のページに集約します。

  • スクロールバーがダッシュボードに表示されないようにできますか。
  • ダッシュボードに情報を詰め込みすぎて雑然としていませんか。必須情報を除くすべての情報を削除します。

3. 全画面表示モードを使用する

Power BIで作成したダッシュボードは、全画面モードで開き、余計な情報を削除します。


4. 最も重要な情報を目立たせる

テキストボックスを使えば、ページのタイトルや補足情報を追加できます。
テキストは有用ですが、グラフの情報を邪魔しないようにサイズに注意します。
例えば、カードを使うとそのグラフの特長的な数値を強調できるため、テキストよりもカードを優先します。


5. 最も重要な情報を配置する

グラフやテキストの配置は、人の視線の動き(左上から右下に動く)を意識します。
最上位の情報を左上に配置し、右下に行くにつれて詳細な情報を配置します。


6. データに適切な視覚化を使用する

グラフはシンプルなものを用意します。
派手で凝ったグラフは見る人の負担になります。

  • 3Dグラフなど、読み取りづらいビジュアルは避けましょう。
  • 円グラフ、ドーナツグラフ、ゲージ、その他の円形のグラフの種類は、データの可視化に適しません。
    横棒グラフと縦棒グラフは値の比較により適しています。人間が値を並べて比較できるためです。
    円グラフはカテゴリが8個未満の場合に最適です。
     円グラフは、部分の比較ではなく、全体に対する部分の関係を示すために適しています。
    ある目標に対する現状を表示するには、ゲージグラフが適しています。
  • グラフ軸の目盛り、グラフのディメンションの順序に一貫性を持たせます。
    グラフ内のディメンション値にも使用する色と一貫性を保ちます。
  • 定量データをエンコードする場合は注意が必要です。数値を表示する場合は、3桁か4桁までにします。
    メジャーは、小数点の左側の数字を1桁または2桁にし、千または百万のスケールを使用して表示します。
    人間は、"3,400,000"よりも"340万"という値を読みやすくなります。
  • 精度と時間のレベルを統一します。時間枠を明確にして、一貫性を持たせます。
    先月のグラフを、その年の特定の月の、フィルター処理されたグラフの横に配置しないでください。
  • 折れ線グラフや横棒グラフなど、同じスケールで大小のメジャーを混在させないでください。
    たとえば、1つのメジャーが数百万単位で、もう1つのメジャーが数千単位です。
    このような大きいスケールを使用すると、千単位のメジャーの差がわかりにくくなります。
    尺度の目盛りを混在させる必要がある場合は、第2軸を使用できる視覚化を選びます。
  • グラフから不要なデータラベルを削除します。通常、ユーザーは実際の数値を表示せずに横棒グラフの値を理解できます。
  • グラフの並べ替え方法にご注意ください。
    最大数または最小数に注目させる必要がある場合は、測定単位に従って並べ替えます。
    閲覧者が他の多くのカテゴリの中の特定のカテゴリをすばやく見つけるためには、軸に従って並べ替えます。

以下、参考文献です。


それぞれの著者は個人のWebサイトやSubstackを持っているので、そちらから無料の情報を参考にするのが良いかと思います。
Stephen Few
Edward Tufte
Andrew Abela